哲学対話にはルールが存在しています。
どうしてルールが存在しているのか?もし、ルールがなく好き勝手に話し合っていると、それは雑談とかわりがなかったり、対話が討論にすり替わっていたりしてしまいます。
哲学対話は物事を深く考えて探求すること、相手の価値観を知ることです。そのために、ちゃんと深く考えるための方法や相手の考えている内容を引き出しやすくするルールを設けています。
ルールは哲学対話の流派や主催者の好みによって違いありますが、共通しているルールとして「人の話を最後まで聞く」「相手を批判しない」などがあります。
私が哲学対話をする際に設けているルールは以下の6つです。
1)自分の体験談や価値観を伝えよう
2)どんな意見でも受け止めよう
3)お互いに問いかけるように意識しよう
4)話がまとまらなくても、意見が変わってもよい
5)発言せずに聞いているだけでもよい
6)プライベートな内容は守ろう
私が重要視しているのは相手の価値観を知ることです。なぜこのルールにしたのか理由をご紹介しようと思います。
1)自分の体験談や価値観を伝えよう
本に書いてあることやテレビなど有名人、有識者が言ったことは、調べればわかります。発言者本人の考えや意見は含まれません。そういう話はとてもつまらないです。聞いていて退屈。
なので、自分の体験したことや、自分の価値観を話してもらうことをルールにしています。体験や価値観には良し悪しがありません。自分の経験したことは唯一無二の出来事です。その人の体験を聞いた方がよっぽと楽しいので初めに自分の話をすることをルールにしています。
2)どんな意見でも受け止めよう
ひとつ目のルールが自分の価値観について話してもらうことです。それぞれの人が価値観について話をすると中には自分と相容れない意見が出てきます。そうすると否定や批判をしてしまう気持ちが芽生えてしまいます。相手の話を否定すると話したくなくなります。
そうなった際に意識を逆に向けることをルールにしています。相手の意見を認めることと同意することは違います。自分は賛同しないけど、そういう意見も世の中にはあることを受け止めることが対話に必要になります。
3)お互いに問いかけるように意識しよう
参加者同士がお互いに質問し合う、問いかけ合います。
対話の場にはファシリテーターが存在します。私がイベントを主催する時は私自身がファシリテーターとなります。ファシリテーターが参加者を促して引っ張るようなやり方は、主従関係になりやすい。ファシリテーターが先生、参加者が生徒というような立場になります。そうするとファシリテーターが持っている了見以上の対話ができにくくなります。
哲学対話はみんなで考えて探求する場です。なので、ファシリテーターもいち参加者として加わっている方が良いと私は考えています。
4)話がまとまらなくても、意見が変わってもよい
考えというのは話しながらまとまっていくことがあります。なので、話すことがまとまってから言う必要はなく、まとまっていない状態で話して構わない。
また、他の意見にふれることによって、自分の考えが変わることが起きます。哲学対話は討論や議論とは違う。なので、主張を変えずに相手とぶつけ合う必要はありません。
むしろ、考えや意見が色々と変わっていった方が、物事の見方や知識が増えていくことになります。
5)発言せずに聞いているだけでもよい
ワークショップでは、意見ありませんか?どんな風にお考えですか?といった質問をされるケースが多い。その際に無理やり発言しても、良い答えになることがありません。誰かにそそのかされる必要はなく、自分が話したいタイミングで話し手いいことをルールで明文化しています。
ただ、聞いているだけでも頭の中ではちゃんと考えているし、全く発言しなかった参加者が最後に一言鋭い意見を言う場合もよく見かけます。
会社の会議だと発言しない社員は必要ないと言われますが、哲学対話では発言しなくても参加していい場なのです。
6)プライベートな内容は守ろう
個人的なことを話してもらっていると、とてもプライベートな内容で口外しちゃいけないような話も出てきます。安心して話をしてもらうには、自分の知らない所で話が広がってしまうことがないようにしなくてはいけません。そのために、話の内容はその場限りとお願いしています。会の雰囲気を伝える際にも、参加者が特定されてしまうような記載は差し控えてもらうようにしています。
哲学対話によくあるルールの「人の話を最後まで聞く」に関してはルールとしては載せていません。ですが、私はコミュニティボールを必ず使用しますので、ボールの使い方として「ボールを持っていない人は、ボールを持っている人の話を聴こう」と説明しています。ルールではなく運用でカバーしています。
このように哲学対話ではルールがとても大事な役割を担います。
どんな目的のために哲学対話をするのか?どんな風に対話を進めたいのか?それによってルールを作っていくことが必要です。
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