「Skypeで対話・・・」
「致しません。」
「Zoomで対話・・・」
「致しません。」
「テレビ電話・・・」
「致しません。」
「オンライン上での対話は一切致しません。」
(某女医風に・・・)
私は、オンライン(ネット上)による哲学対話、ならびに、対話コンは実施しない方針です。
どうして、オンラインをやらないのか?
それは以下のような懸念点があるからです。
1)個人のプライバシーが守れない
私の哲学対話において、皆様にお願いしている一つ目のルールが「自分の体験談や価値観を伝えよう」です。
その人が今までに体験してきた経験をもとに、自分の価値観について話してもらうことを一番大切にしています。
個人の体験というのはプライベートな内容になりやすい。また、対話コンは必然的に恋愛や性愛について話す機会が多くなります。
安心・安全で自由に話せる場を実現させること。個人のプライバシーを守ることは、とっても、とっても大切です。
個人のプライバシーを守るため、話した内容はその場限りとし、イベント後では話した個人が特定できないことをお願いしています。
オンラインで対話を行う場合、プライバシーが守られている保証がありません。
なぜなら、カメラに写っていない所に対話に参加していない人が居るかもしれない。両親や兄弟、友達が対話に参加しないで、様子を覗き見てるかもしれないし、漏れ聞こえた対話の内容を言いふらすかもしれない。
画面の内容を動画で録画しているかもしれないし、音声を録音されているかもしれない。
まぁ、リアルでもICレコーダーを隠し持ち録音することは可能でしょう。だけど、実際に対面している分、罪悪感を持つ度合いが高くなり、オンラインよりは抑止力につながります。
次にオンラインで対話を行う以上、必ずWEB会議ツールを使用することになります。
元々、私はIT業界のエンジニアだったので、どうしてもツールの脆弱性という不安が拭えない。
パスワードを悪意の持った第三者に送信される。音声が画像のデータが暗号化されてなく、第三者が傍受できる場合がある。懸念される海外のサーバを経由している。ユーザの了承なくプログラムをインストールする。
テレワークが急に広がり、とあるソフトの利用者が増えましたが、そのソフトで指摘されている脆弱性です。修正プログラムやセキュリティパッチが適用されてくるでしょうが、絶対に安全であるツールはありません。
余談、大学の同期が某大手通信会社のサーバ管理の仕事をしてて、本人曰く、その気になればキャリアメールの内容は見れる!と言ってた。
個人情報を流出させれば懲戒解雇なので、そんなことはする訳ないのだが、オンラインでの安全性は、意外と盲点や不備が散見しているかもしれません。
話を戻して、プライバシーとか関係なく、雑談なんかであればオンラインでも問題ないでしょう。もし、個人のプライバシーを本気で守るのであれば、オンラインでの対話は、空間・環境的な問題と、使うツール上での問題があることを認識した方がいいと思います。
2)ファシリテーターの役目
対話の場では必ず進行役となるファシリテーターがいます。
話を振ったり、内容をまとめたり、円滑に対話を進めるために立ち振る舞います。
ところが私の場合は、自称”何もしないファシリテーター”なのでオンラインでは不向きなのです。
オンラインでの対話で一番問題になるのが発言のコントロールです。
今、誰が話をしていて、次に誰は話をして、話したいタイミングが重なったらどうするか、ファシリテーターによる交通整理は重要になります。
私が主催する場合、何もしないファシリテーターなので、交通整理とかしないのです。
どうして対話の交通整理をしないのか?
それにはいくつかの理由と狙いがあるからです。
対等な立場を作るために何もしない。
対話は講義ではなく、対等な関係性で話し合うことがとても大切です。
しかし、年上・年下、先生・生徒、上司・部下、役職、肩書などによって、順序付けされてしまいます。
参加者と主催者でも同様で、私はそんな意識がなくても、どうしても主催者である以上、対等な立場ではありません。
さらに、ファシリテーションをすることによって、この人が仕切る人、私達は仕切られる人と、立場や役割を作り出してしまいます。
参加者の主体性を発揮してもらうためにも何もしません。
私は、立場による差をゼロにすることはできないかもしれないが、できる限り差はなくしたい。
主催をしないことはできないが、ファシリテーターをしないことはできる。
なので、ファシリテーターとして話の交通整理はしていません。
そうすると、オンラインで対話を行う場合、どうやって話の交通整理をするのかという問題が発生してしまいます。
これは私のやり方による問題なので、何もしないファシリテーターはオンラインと非常に相性が悪いということです。
3)オンラインによる音声・視覚情報の欠損
声というのは波です。
直接対面して話をする場合は、空気(空間)を通して波が相手に直接届きます。
しかし、電子機器を使用した場合は音波をデジタル信号に変換し、デジタル信号を音波に戻すことで相手に声を届けます。
技術はとっても進歩していますが、音波をデジタルに変換した際に必ず情報が欠損されます。
ほとんどの人が違いを聞き分けられませんが、直接話して伝わる波と電子機器から伝わる波は別物です。
これは、根拠が乏しく、スピリチュアル的な部分になりますが、直接だからこそ伝わるメッセージがある気がします。これは、ただの個人の好みです。
しかし、メラビアンの法則のように会話の内容以外がコミュニケーションに大きな影響を与える概念があります。
メラビアンの法則は、「感情や気持ちを伝えるコミュニケーションをとる際、どんな情報に基づいて印象が決定されるのか」ということを検証し、その割合は次のように示されました。
視覚情報(見た目、しぐさ、表情、視線):55%
聴覚情報(声の質や大きさ、話す速さ、口調):38%
言語情報(言葉そのものの意味、会話の内容):7%
オンラインで行うときでは、バストアップがほとんどですし、嫌ならば映像を表示させないこともできます。画面分割によって全員の視線が向けられているように見えますが、直接対面した場合では特定の人に目を向けている違いがあります。明るさや色調は見ている方の画面調整で変えられる。声の大きさは、聞いている方のスピーカー音量で調整できる。
直接コミュニケーションする場合と比べると、視覚情報が抜け落ちてしまうでしょう。
最後に、オンラインによる対話は物理的な距離縮められる大きなメリットもあります。色んな主催者が色んな形で対話をしていければ良いと思っています。なので、オンラインでの対話を否定したい訳ではありません。
あくまでも私は自分の好みとこだわったやり方が背景にあってオンラインでの対話はやりません。
なので、私が主催する哲学対話、ならびに、対話コンはリアルイベントのみです。不定期に開催していますので、あなたのご参加をお待ちしております。
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