哲学対話をすると幸せになれる

あなたは幸せですか?
「不幸な人生より、幸せな人生の方がいい」
そんな風に思っていても、実際には幸せに感じれないことがあるし、そもそも、どうやったら幸せになるのかわからないこともあるでしょう。
世の中に幸せになる方法が数多くあります。
そんな中で、私は「哲学対話」をすると「幸せ」になれるかもしれないことに気付きました。

はじめに、「幸せ」はどうやったらわかるのか?
国際連合の持続可能開発ソリューションネットワークが毎年発表している、世界幸福度報告(World Happiness Report)があります。
自分の幸福度を0から10のどの段階にあるかを答え、6つの視点(1:ひとりあたりのGDP、2:社会的支援・困ったときに頼ることができる親戚や友人がいるか、3:出生時の健康寿命、4:人生の選択をする自由、5:寛容さ、6:腐敗の認識)から分析しています。
世界幸福度報告ではこの6つの視点が幸せに影響があるとされています。
ちなみに、日本の順位は、2017年 51位、2018年 54位、2019年 58位、2020年 62位と年々下がっています。

その他に「幸せ」について研究もあります。
ハーバード大学成人発達研究所(Harvard Study of Adult Development)の長期に渡る幸福の研究から「よい人間関係」が幸せに影響を及ぼしている発表があります。
同一人物を追跡調査をした研究で、富と名声よりも、よい人間関係を構築できた人の方が幸せをもたらす。具体的には、家族、友人、コミュニテイ等、周囲とのつながりを持っている人はそうでない人よりも幸せで健康で長生きする。身近な人たちとの関係の質が重要である、と結論付けられています。

ご紹介した内容以外にも幸せに関する色んな視点や調査研究があります。
さまざまな調査研究の中で、寛容な人ほど幸せを感じやすいし、人生を選択する自由がある人ほど幸せを感じやすいし、よい人間関係を持っている人ほど幸せを感じやすいとされています。
一方で「哲学対話」をすると、いろんな効果がありますが、「幸せ」と関連付けたときに、私は「寛容さ」「人生の選択する自由」「よい人間関係」の3つが大きく関連性があると思いました。
どういうことか、具体的に説明しようと思います。

寛容さとは、自分と異なる意見を持っていたり、異なる宗教を信じていたり、異なる民族に対して一定の理解を示し、許して認めること。

選択的夫婦別姓。同性愛やLGBTQといったセクシュアルマイノリティ。有名人の不倫報道。在日や外国籍の方。いろんなところで、自分と異なる意見や、その人があるべきだと考えている内容で、他者との違いや衝突が起きています。

哲学対話でも、自分の考えや、体験談について話してもらうと、自分と合わない意見が出てくるときがあります。
それに対して、哲学対話で私が使っているルールの「どんな意見でも受け止めよう」「お互いに問いかけるように意識しよう」を守ってもらうことで、対立や衝突を減らし、結果的に寛容になっていきます。

哲学対話で、自分には合わない意見が出てきたときに、拒絶や反論するのではなく、どうして?とか、その理由について問いかけます。
その考えになる背景がわかれば、例えその意見に対して同意できなくても、理解できるようになります。

こんな事例がありました。
男性が「家事や育児は手伝うよ。」という発言をし、女性たちの怒りを買いました。
どうしてなのか?
「結婚して一緒に暮らしていくことは、お互いに助け合っていくのが大切。手伝うって、女性がやって当たり前という認識だよね。そうじゃなくて、一緒にやって欲しいから、手伝うという発言にいらだった。」
男女平等の価値観が広がっている中で、お互いに支え合う結婚生活なのだから、女性が家事・育児をする前提は変じゃないのかということに気が付けます。

もうひとつ事例を紹介します。
ある女性が「旦那以外に好きな人がいます。」と告白しました。これって、浮気や不倫という、現在の日本の法律や倫理観では悪いこととされる行為です。
でも、どうしてそうなったの?と理由を問いかけると、「夫婦生活が、ただのルームメイトのような関係になっている。私の事を女性として見てくれないし、扱ってくれない。そんな中で、親しくしていた男性から、キレイだと言ってもらえる。かわいいと褒めてくれる。会うたびに気持ちが高まるし、自然と好意を寄せるようになった。」
これは単純な良い・悪いという話ではなく、良好な人間関係とか、夫婦関係について考えさせられるきっかけになります。

このように対話を通して、いろんな人の価値観や考え方にふれることができます。
それが自分の価値観と違ったとしても、相手を理解するが同意しなくていい。この姿勢が対話ならではの特徴です。つまり、境遇や環境がそもそも違っている相手の意見を100%受け入れることなんかできません。しかし、そういう意見もあるんだと受け止めることはできます。お互いの意見や考えを受け止め合うことで対話をすることが可能になるし、違うものを許す精神を育むことにつながります。

次に、自分が自由に選べないことよりも、自由に選べるほうがあると幸せだと感じられやすい。
さて、私達はどれだけ自由に選択することができるのでしょうか。
職場や学校に行きたくないと思っていても、行かなくてもいいことにはなりません。誰かと話をしている中でも、自由になんでも言っていいことはなく、相手との立場や気を使って、言うこと、言わないことを選んでいます。
日常生活をしている中では大なり小なり、選択肢には限りがあり、なんでもかんでも自由にできるとは限りません。

でも、哲学対話においては、考えること、話すことは自由にできます。
なぜなら自由に話せるために哲学対話のルールがあります。私が使っているルールでは「話がまとまらなくても、意見が変わってもよい」「発言せずに聞いているだけでもよい」の2つを設けています。
対話では、他の人から無理やり発言を求められることなく、自分が話したいことのみを話せてもらえるようにしています。答えたくない内容については話さなくていい。なにも発言しないことができるからこそ、逆になんでも自由に発言することができます。そして、ふと思ったことは、なんでも話してもらえればいいし、話している途中でその内容が変わってもいい。
このルールによって自由に話せることを対話で実現しています。

そして、選択する自由につながるのですが、哲学対話ではテーマや問いを決めて対話をします。
私が主催する時には、参加者からテーマや問いを出してもらい、みんなの多数決や合意をして、ひとつに決めます。多数決をするので自分が出した内容が選ばれないことの方が多いでしょう。でも、みんなで決めることが、決められたことをしなくてはいけない状態よりも、主体性があります。

そもそも哲学対話のイベントに参加しようとご自身で決めるところから、選択する自由が始まっているのかもしれません。
こういう小さな選択する自由や発言する自由を積み重ねて、自由という感覚を育んでいます。

最後に、哲学対話をすることで、よい人間関係ができます。
なぜなら、私が使っている対話のルールで「自分の体験談や価値観を伝えよう」というのがあり、そのルールによって自己開示をしていくことになります。
個人的なことを伝えるのは、相手を信頼していることが必要です。そのため、自己開示された人は、自分が信頼されていると感じ、相手に親しみを覚えます。その結果、自分も自己開示することになり、その積み重ねによって少しづつ距離が縮まります。

そして、対等な関係で対話をすることも、お互いの距離を縮めることに役立っています。
哲学対話は円になって対話をします。こっちが上座、あっちが下座というような、上下関係はありません。教室やセミナーみたいに、先生は偉い人、生徒は従う人、というような関係はお互いの距離を遠くしてしまいます。なので、円になることがとても大切です。
他にも、私が主催する際には、参加者の自己紹介はありません。見知らぬ人同士が集まって、いきなり対話を始めます。そして、時間が来たら終了。解散です。
その人の身分や立場に関係なく、誰もが対等なひとりの個人として対話をして頂いています。
ただ、懇親時間やイベント終了後などになったら、お互いに自己紹介や連絡先交換など当事者同士で行ってもらっています。やっぱり、もっと相手のことを知りたいという欲求が芽生えることにつながっています。

幸せと関係性があるとされている「寛容さ」「人生の選択する自由」「よい人間関係」は、今まで哲学対話をしてきた中で、自然と育んでいた能力だと感じています。
だから、哲学対話をすると幸せになれるのではないでしょうか。
その効果は哲学対話に参加して頂いて、どうぞご自身で確かめてください。


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